「現場一筋15年のアパレル販売員が教える」リアル店舗とEC店舗の共存

「現場一筋15年のアパレル販売員が教える」リアル店舗とEC店舗の共存

りんりん

ねえ、ねえ、パパ


ガクガク

うん、どうしたの?りんちゃん


りんりん

さいきん聞くEC店舗って何?


ガクガク

インターネット上に作ったお店の事だよ


りんりん

インターネット上のおみせ?


ガクガク

うんうん、まあ通販ってことだよね


りんりん

へー、すごい便利そうだね!


ガクガク

そうそう


りんりん

じゃあ、本当のお店はお客さんへっちゃうね、たいへんじゃないの?


ガクガク

確かにね、そうだよね

EC展開しているブランドやお店で働いている方はすごい共感してくれると思いますが、いまやECとの在庫の取り合いだったり、お客様の取り合いになって悩んでいませんか?

ECで売れても、お店で売れても結果としては同じ金額だったらお店で売って評価が上がるようにしたい。

目の前のお客様に納得して買ってもらう方がより良い顧客満足がえられのでは

と考えている店舗の管理者の方々もいらっしゃるんではないでしょうか?

結論から言いますと、完全に間違っていると断言できます。

そうではないと、気分を悪くされる方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。ただし、分かっていただきたいのは自分も同じ1店舗の責任者としてECとの共存こそが顧客へのより良い購買体験だと信じています。

もちろん反論もあると思いますし自分も現場で長くやってきたので人のコミュニケーションの力は重々存じています。

そのうえであえて言わせてもらいますが、その古い認識が会社の成長を妨げています。

某セレクトショップ 現役アパレル店長「ガク」
この記事を書いている自分は大手セレクトショップにアルバイトで入社して15年「ガク」と申します。
9年間の販売員生活を経て、副店長、店長へとステップアップ。
都内でのメンズ店長経験4年 現在はレディースで店長として従事して2年、アパレル販売員の新たな可能性を常に模索しています。

この記事ではECサイトを現場ではどのように活用すべきなのか、ECとの共存による利益とは。

こういったテーマで書いていこうと思います。この記事を読み終えたころにはECを活用して共存共栄をしていく事の重要性を理解していただけると思います。

現状のECサイトの役割とECサイトの重要性

ECに力を入れているアパレルとそうでないアパレルは今回のコロナ騒動でくっきりと差が浮き彫りにされた形になってしまいましたが、それと同じくらいECと店舗の対立にも発展していったように感じました。

本来は通販といえば店舗の補佐的な役割やそれこそ店舗に足を運べない遠方のかたの購買手段でしたがいまや都心に住む人のほうが活用しているのではないかというぐらい浸透しています。

りんりん

みんな通販つかってるよね、ママなんて生活の一部になってるもんね


ガクガク

そうだね(笑)ポイントもたまって家まで届けてくれるなんて最高だよね。


では現状のECサイトの役割とは何でしょうか、答えは巨大なポータルサイトです。

ポータルサイトとは

例えば、ECサイト、ブログ、ブランド情報、ブランドニュースなど会社もしくはブランドの情報を一目で分かるように分類されたサイトです。

要するに検索した際に一番最初にたどり着くサイトで、すべての情報へアクセスできるハブの役割をするページです。

一番有名なのだとYAHOOのトップページなんかはそうですね。

天気、路線情報、ショッピング、映画などありとあらゆる情報を整理して視覚的に見せている巨大サイトです。

要するにECサイトというのは単純に商品紹介ページだけでなく、ブランド全体の宣伝、販売促進も兼ねた企業のなかでも顔の部分にあたるものすごく重要な場所です。

以前は単純に企業の名刺のような、ブランドがどんなブランドなのかを明記する役割でしたがいまや全てを司る一番重要なポジションといってもいいのではないでしょうか。

ブランドのポータルの中のコンテンツとしては以下なものが代表です。

代表的コンテンツ
  • 商品販売、紹介ページ
  • ブログ
  • 販売員のスナップやコーディネート一覧
  • ニューストピックス
  • イベント情報
  • コラボレーションや企画もの情報

これだけ情報が揃っていたらユーザーにおいても利便性が高いのはいうまでもありません。

アパレル販売、ECサイトの活用方法

ECサイトが今の時代においてどれだけ重要かを理解していただいたところでその活用方法に関して解説していきたいと思います。

りんりん

ECサイトってのは販売だけじゃないことは分かったけどお店にはどんな影響があるの?


ガクガク

そこだよね、お店はうまく活用することによってより売り上げを改善できたりするんだよ

お店が活用する場合の例としては以下です。

ECサイトの活用方法
  1. 接客で参考的なコーディネートを客観的に確認できる
  2. 在庫状況が分かるので他店舗を案内できる、サイズや色の案内ができる
  3. 検討する場合には商品情報を持って帰ってもらえる
  4. 今後入荷する商品も紹介できる
  5. 自分のスナップを見せてフォロワーを作れる

広い視点でみた場合やお客様の満足度をかんがえると、一番重要なのは在庫をロスなく消化することです。

自店舗に在庫がなくてもEC上で購入してもらったり、商品情報を持ち帰ってもらってその後ご自宅でECサイト上で購入してらうなどお店は営業時間が決まっていますが、営業時間外でも購入促進ができるのはメリットしかありません。

デメリットがあるとしたら、接客したのに店舗の売り上げにならないというところでしたが、それも最近は改善されつつあります。

お客さまに商品情報を持ち帰ってもらう場合に自分のQRコード経由からお客さまに商品紹介ページをモバイルに記憶させて持ち帰ってもらえば個人の売り上げになるといった仕組みも始まっています。

ガクガク

これは本当に画期的ですよね、テクノロジーを積極的に販売に取り入れて効率的に販売していくのは今後必須ですよね。

いままでは接客したけど単純にその労力が報われないのが販売員の悔しいところだったとは思いますが、それがしっかり自分の売り上げになって返ってくるというのは素晴らしいです。

人間ですのでECで買いますと言われたら「せっかく親身になっていっぱい接客したのに」と、ちょっとしょんぼりしてしまいますが、今後はそんなことなく、ECで買いますと言われたら、自分のコードから商品ページを紹介すればいいだけです。

りんりん

これがあれば努力がしっかり報われるからうれしいね


ガクガク

うん、本当によかった、こういうのでECと対立してしまって全体でみると不利益が生まれる場合があるのは課題だったからね

また、現場レベルにおいて一番恩恵を受けられるのがスナップページのコーディネートではないでしょうか。

お客さまの接客中に購入を迷っている方の半分以上は必ずほしいだけでなく、自分のワードローブや、どんな着こなしをしたらいいのかを迷ってらっしゃる方が多いと思います。

そんなときに実際に着ているのをみると安心感ありますし、自分が来ているイメージがしっかり沸いて後押しになります。セットで他にも購入してもらうときにも重宝する機能ですよね。

今すぐには重要ではないですが、今後絶対重要になってくる事として、個人のフォロワーを伸ばしていく事があげられますが、SNS全盛の中では当然なのかもしれません。

それを実現するためにはお客様を接客した際に仲良くなったら自分のスナップページ(もちろんインスタグラムなど個人で運営しているものでもいいと思います)をみせて、フォローしてもらうことです。

世の中は確実に個人の力が重要視される世界に向かって行っているので、早めに行動しておくことをお勧めいたします。

ECサイトと共存して実績を伸ばしていく方法

本題はここになります。

自分が働いている環境ではECサイトを競合店のように捉えて、「在庫をとられたくない」「ECで販売するなら店舗で実績にしたい」「在庫がなくなると店内をきれいに演出できない」

こういった感情からECを競合と捉えて運営している店舗が見かけられますが、あなたの店舗もそうですか?

これらの気持ちは分からなくはないですが店舗売上とは切り離して考えるといいのかなと思います。

ベースとしてECサイトとは相互に弱点を補完する関係

です。

ECサイトとの相互補完
  1. 店舗が営業していない時間も売り上げが立てられる。
  2. 店舗に来る前に商品情報を持った状態で店舗に来店するので購入確率が上がる。そのため生産性につながる。
  3. 在庫がなかった場合にECで販売できる。

一番大きいのが店舗が営業していない時間の実績ではないでしょうか。

今回のコロナ禍でも自社ECサイトを持っている会社はすごい助かった事でしょう。閉店している間でも売り上げがあるので傷は最小限で済みました。

このように自分たちの給料を稼いでくれる、補填してくれる大きな役目を担ってくれています。

ECで販売できた分を余剰分と考えればボーナスになっています。

数値的にみてもECと店舗を利用しているクロスユースを実行しているお客様の方が年間での購入金額は高くなることは有名です。

それではECと共存して実績を上げていく方法とは

ECとの共存で店舗実績をアップ
  • 個人のフォロワーをたくさんつける
  • メディアでの露出をふやす
  • 店舗限定商材、ウェブ限定商材の充実
  • アプリを起点にした店舗誘客をふやす

個人のフォロワーをたくさんつける

スナップなどでコーディネートを投稿している方々は多いと思いますが、個人のインスタアカウントでもいいので会社で運営しているSNS、もしくはインスタなどで影響力を発揮できるぐらいのフォロワーを付けましょう。

簡単ではないとはおもいますがコツコツと地道にやれば確実にのびます。

個人が影響力をもてば店舗への導線となり、「あの人に接客してもらいたい」「あの人の着ている服がほしい」といわゆる芸能人などがもっている影響力を作ることができます。

メディアでの露出をふやす

良質な記事をアップして各種メディアに取り上げてもらえるようなコンテンツをつくる事です。

オウンドメディアに関してはどこの会社も持ち合わせているところがほとんどですが、うまく活用するところまで行っていません。

要するにバズらせることが重要です。

ブランドのファンに向けた一方的な記事ではなく、世の中の洋服に興味のある方々に向けた悩みや疑問を解決する記事をつくれば新規のお客様を獲得できるのではないでしょうか。

キュレーションサイトに取り上げてもらう事も増えるでしょう。

洋服屋が考える新しいコンテンツはそれだけでお客さまにも興味を持ってもらえるのではないでしょうか。

店舗限定商材、WEB限定商材をふやす

ここはシンプルにそこでしか買えないものを増やすということです。

これは昔から店舗マーケティングではすでに取り入れられていますが、ウェブ限定商材が多いのが現状です。店舗への相互誘客を考えて店舗限定商材を開発しウェブで露出、店舗へ来店の流れを意識することです。

もちろん、店舗ではウェブ限定商材のサンプルをおいてウェブへの送客をつくることもセットでやらなければいけません。

アプリを起点とした店舗誘客をふやす

これは既に取り組んでいる会社も多いと思いますが、アプリをダウンロードしてもらう事によって、イベント情報をポップアップとして画面上に掲載することが出来ます。

さらに、お知らせを毎日おくって接点を増やすことはとても重要です。

毎日の接客の中でおすすめを徹底して地道にお客様を獲得していく事が大事です。

獲得した数だけお客様が来店してくれるきっかけが作れます。

ECサイトとの共存方法まとめ

ガクガク

いかがでしたでしょうか?ECをさらに拡大していく事によって店舗へもいい影響が必ず出てくるのは明らかです。積極的に活用しましょう

りんりん

時代は共存にへんかしていってるのね

ガクガク

そうだよ、難しいこと言えるようになったね、りんちゃん。時代に合わせていかないとね

これからも販売の方法は変化を続けていくとは思います。それは便利な世の中に変わる事でもありますが、同時に少し以前の事でも使えなくなってしまうという事です。

時代に取り残されることはそれだけで事業の倒産などに繋がってしまいます。柔軟な姿勢はこれからも確実に大事になってきますよね。