ひとり呑み酒場

題名にもある通り、一人でくるお客さんがゆっくりと酒場を楽しむためには自宅の近くにいい酒場を見つけるに越したことはありません。銭湯が自宅の近くにあるのがいいことと同じように行きつけのお店も自宅近くにあるに越したことはないのです。

せっかくいいお酒で心身ともに疲れを癒しても、そこからまた歩いて帰ったり、電車に揺られて帰ったりするのはおっくうですし、面倒だと感じた方ばかりではないでしょうか。自分もその一人です。そんな自分の行きつけのお店はまた別の機会に紹介しますが、今回はそんなひとり呑み酒場の見つけ方について紹介していきたいと思います。

いいお店の見つけ方とその条件

自宅の最寄り駅から1、2駅ぐらいが目安ではないでしょうか、都心の地下鉄や電車なら2駅でもいいと思いますが郊外だとさすがに1駅でしょうか、自分自身が道をよく知ってて地元だと自負できる範囲内が一番いいと思います。

まずは駅周辺です、駅前のロータリーなどではなく、商店街の裏路地や駅の前のロータリーがある方ではない道を歩いてみましょう。古びた佇まいでいつも夕方から地元のおじいさんが通っているようなお店はありませんか?

もしあるとしたらそこが第一候補です。酒のみの嗅覚は素晴らしいもので、お店の佇まいや門構え、雰囲気でピンと来たりするもんです。大抵そういったお店は大体地元のお客さんで賑わっています。いいお店には知らず知らずのうちに吸い寄せられているかのように吞兵衛たちが集まってきます。しかも、そのお店が古くから続いているのであれば、そのお店は昔から吞兵衛たちに愛されてきた外れなしのお店ではないでしょうか。

そういった店が一件でも見つかれば、あとはその店のお客さんの会話を聞いていれば近所の名店や自宅近くの信頼できる店は見つかるのではないでしょうか

いい店の第一条件としては店内が清潔に保たれていること、新しい、古いは関係なく整理整頓が行き届いていて隅まで掃除してあります。。特にトイレが綺麗なお店は間違いありません。

そして、良い店からは「儲けよう」という心構えでなく「お客さんに楽しんでもらいたい」あるいは「自分も楽しくて仕方ない」といったオーラが伝わってきます。

名古屋に住んでいたころとてもよく通った九州料理を美味しく出してくれるお店「ばんから」

自分が名古屋で勤務していた時によく行っていたんですがこちらは店主が熊本出身でたまに一人で行ったときにお客さんが少ないと「実家から送ってきてくれたのでよかったら」と「からしれんこん」を出してくれたり、「こないだ新鮮ないわしがたくさん入ったんで」と「いわしめんたい」を出してくれてました。

自分やお店のメンバーだけでなくお客さんも楽しく笑顔にしたいという心意気の感じられる方だったのを覚えています。

また赤羽一番街から岩淵の駅近くまでいったところにある「魚一」こちらで食べた「炙りレバー」はくさみが一切なくとろける美味しさの中に香ばしさがあって最高でした。(魚がメインのお店ではありますがついついもつ系を見ると食べたくなってしまって💦)

レバーは新鮮でないとなかなか出すお店はないので驚いて尋ねてみると、毎朝鶏専門の卸まで買いに行っているそうです、もちろん朝さばいた鳥のレバーなので超新鮮!!

買ってきたままでは出せないので下処理をしたうえで、しっかりと洗い、注文が入るまで冷蔵庫に。お店はランチもやってますがメインは完全に夜です、その為に朝から出かけているのはびっくりしました。

「仕入れ値は安いんで、手間をかけないと売れませんよ」と店主、さらに「でもちゃんと手間をかけてあげると結構出るんですよね」

そんなお店からは店主の一所懸命さがひしひしと伝わってきます。お店の人同士が無駄口を叩くこともありません。その姿勢はお客さんがいなかったり、少なかったりする暇なときによりよくわかるのではないでしょうか。いい店の店主や店員さんは、どんな時でも何かをして働いています。やらなければならないことは山のようにあって、それを空いた時間を有効的に使いながら片付けていっているといった感じです。

「重要な仕事は忙しそうな人に頼め」という言葉がありますが、良い店の店員さんたちは、まさにそんな言葉がぴったりと当てはまります。

常にキビキビと動いているので、急に注文が入ってもその動きの中でキビキビとこなしていきます、緩慢な動きは一切ありません。

一言でいえばストイックというか、自分に厳しいというか、そんな店にはどこかいい加減なことを許さない、凛とした雰囲気が漂っています。そんな軽い緊張感を慕って、地元の常連さんたちが毎日のようにやってきます。

緊張感がない店は店内の空気がダレて変な酔っ払いが幅を利かせるようになります、そうなると普通のお客さんは居心地が悪くなってしまうものです。しかし緊張感がありすぎるとそれはそれで全くリラックスできなくなってしまいますので軽く緊張感があることが大切です。

銭湯好きでもたまに遠くの温泉に行ってみると新鮮で楽しいように、他の地域の名店に遠征するのも面白いものだと思います。

特に大衆酒場や小料理屋は地域によって、また、客層の違いによってその店の雰囲気が変わっていることが多いのでその空気に触れるのもまた楽しいものです。

酒好き、人好き、肴好きーひとり呑みの3タイプ

酒場にやってくるお客さんを分類すると、3つのタイプに分類されると思います。

「いい酒。いい人、いい肴」のバランスを楽しみに酒場にやってくるのがいわゆる酒場好きですが、ひとり呑みとなるとそれぞれの人の個性が出てくると思います。

基本は酒、人、肴を軸として、酒の軸が強くなると「酒場好き」よりも「酒好き」、つまり「ひとりで美味しいお酒を飲むことが趣味」という領域に入ってくると思います。普通の居酒屋よりも、どちらかというと銘酒酒場や焼酎酒場、あるいはバーで美味しいお酒や珍しいお酒をのんだり、更に探求心が強い人は蒸留所や醸造所まで出掛けて行って、どうやってそのお酒を造っているのかを調べたりと、どちらかというと飲み物に重きを置いた飲み方になります。

「酒好き」の方向がさらに進んで「酒場好き」の領域を出てしまうと、酒場で飲むよりもいいお酒や珍しいお酒を買ってきて自宅や同好の仲間内でじっくりと味わったりすることを好むようになります

その「酒好き」軸の延長線上にあると思うのですが、状況的にかなり違うのが「酔い好き」です。飲み物に重きを置いた飲み方という点では変わらないのですが、こちらはお酒の味うんぬんよりも、むしろその先にある酔いそのものを重視するタイプです。

お酒を飲むプロセスよりは早く酔った状態になりたい人たちです。実は自分も昔はこのタイプだったような気がします。

「肴好き」は酒よりもおつまみを重視するタイプです。居酒屋の原点が江戸時代の「煮売り屋」にあるといわれていますのでもしかすると「肴好き」軸の方が酒場の原点なのかもしれません。

「肴好き」の人たちが行くお店としては小料理屋や大衆割烹などのちょっとうまいものや季節の料理が食べられるお店、焼き鳥やもつ焼きなどのやや専門的な料理に特化した酒場があげられます。「肴好き」の人たちはこういった酒場を好むのです。

もう少し「肴好き」軸を進んで「ここは酒場と呼んでもいいのか」という境界線上にあるのが蕎麦屋や寿司屋。大衆食堂なども同じあたりでしょうか、店内には飲んでる人も多いけど、飲んでない人もいるといった領域になります。

「人好き」は酒や肴もさることながら、どちらかというとその酒場に集まって、その酒場に集まる人達と話すのが好きな人達の事をさします。

このサロン的な要素も酒場ならではの要素で、このジャンルの方は結構いらっしゃるように思います。

よく人との会話は最大の肴とはいいますしね。

最初から「人好き」を狙った酒場はあまりありません。小料理屋や酒亭、大衆酒場などに毎日やってくる常連の方たちが作る雰囲気や織りなす世界が「人好き」に好まれるような状況が生れてくるのではないでしょうか。

「人好き」の軸の延長線上を狙った商売だと思うのですが、「女好き」「男好き」という世界もあります。お酒を提供するのはもちろんですが、異性との会話を楽しむスペースです。これらはキャバクラやホストクラブなど明らかにそのジャンルの人を狙った店があり、商売としても成り立っている分野です。

このキャバクラやホストクラブに関しては本当に「酒は飲んでものまれるな」というのが大きな教訓になるような環境ですよね。

それでは今日も美味しいお酒でへべれけに!!