「徹底解説」日本酒の造られ方 発酵のメカニズム

どうやって日本酒は造られているのか

自分は異動がたまにある仕事についているのでチームのメンバーがガラッと変わってしまうなんてことがたまにあります。

そんなとき飲みにケーションではないですが、お酒の話を持ち出してコミュニケーションをとったりすることがあります。

お酒は嫌いな人はほとんどいないのと、飲めない人でもお酒の場所は好きだったり、酔うのが好きだったり、お酒の話題を出してあまりネガティブになる人は経験上あまりいないからです。

「お酒飲みますか?」「どんなお酒飲みますか?」

こんな会話をして話を広げたりしています、特に話が広がるのが日本酒で、僕はどんなお酒も大好きですが話題性という点では日本酒は絶好のお酒なのです

とくに「お酒は好きなんですけど詳しくはないんですよね」という方と話すのは結構楽しいです

知識をひけらかすつもりは一切ないのですが、日本酒が好きなお酒の候補に挙がると嬉しかったりします。

日本酒は奥が深く、自然と話が弾んでしまうからです

今回は日本酒の造り方をもとに日本酒がいかに特殊なお酒で素晴らしい繊細さを持ち合わせているかについて解説していきたいと思います。

・日本酒って色んな種類あるけどどうやって作られているんだろう

・日本酒の蔵って何なんだろう

・日本酒の味ってどうやって決まるんだろう

こんな疑問に、年間180日間(二日に1回)は酒場を渡り歩いてひとり呑みを楽しんでいる私がお応えしようと思います。

読み終えるころには日本酒の造り方が網羅的に理解してもらえるようになっていると思います。

日本酒は醸造酒の中でも穀類

一般にお酒とはアルコール度数1%以上のものをいいます、分類としては清酒、合成酒、焼酎(甲類、乙類)、みりん、ビール、果実酒類、ウィスキー類、スピリッツ類、リキュール類、雑酒(第三のビールやビールタイプの発泡酒)

製造工程で分けると3種類あります

醸造酒

原料を発酵させて造るお酒の事です、日本酒はこの仲間です。その中でも更に二つに分類することが出来ます。

ブドウなどの果実で造るのが果実醸造酒、ワインなどの事です。もう一つが穀物醸造酒。

米で造る日本酒と、麦で造るビールがこの類です。こうやって分けてみると日本酒とビールは非常に近い間柄に感じますね

蒸留酒

ウィスキー、ブランデー、ウォッカ、ジン、焼酎などがこの部類です。

発酵も関わってきますが最終的に蒸留するのでこの区分に入ります。

混成酒

酒類に糖分や様々な原料を混ぜ合わせただけの発酵が関与しない酒。代表的なものにリキュール類があります。

この中で穀物醸造酒は最も手間のかかるお酒です、穀物は発酵に向かない素材なのですが、工夫を凝らして発酵させてお酒にするという努力の賜物です

日本酒の繊細さ

世界中の酒類の中で、日本酒ほどその造り方が繊細で、複雑かつ奥の深いお酒はないです。

酒造業を始めようとする人はまずはお酒を造ってくれる専門の人、杜氏を探すことからしなければいけません。この杜氏によって蔵の格付けがきまり、運命が決まるといっても過言ではないと思います。

お酒の専門職というとワインならソムリエ、ウィスキーならブレンダーといった人が連想されるがどちらも作る人ではなく、出来上がったものを提供する側の人です。

ワインは産地や品種、熟成年数が品質を決める一番の要素ですが、日本酒は圧倒的に杜氏の技量が酒の善し悪しを決めてしまう。(もちろん米の品質もありますが・・・)

ワインを勉強していくとブルゴーニュやボルドー、シャトーなどといった言葉が出てきますが、日本酒の場合は杜氏の名前を覚えてくるものである。しかも覚え始めたらかなりはまっている証拠です。

日本酒は味の違いがかなりあり、飲んで自分の口に合い感動すると、「どんな人が造っているのだろう」と思うようになります

それではなぜ日本酒造りには高度な技が必要になってくるのでしょうか

米はブドウやサトウキビと違ってそのままでは発酵しません(糖分がないので)にもかかわらず、発酵をやってしまう「並行複発酵」は、日本酒独特の工程なのです。

米のデンプンを麹の力で糖分に変え、次にその糖を酵母がエチルアルコールと炭酸ガスに分解する、そのふたつの化学作用を一つのタンクの中で同時に行わせるのです。

造りのあらゆる工程で杜氏は頭を痛めるのだが、この「糖化」と「発酵」のバランスこそもっとも杜氏の力量が試される。まさに執念のお酒なのです。

並行複発酵とは

日本酒の造り方を解説した本は多いです、しかしその工程は非常に複雑に入り組んでいて、なかなか理解しにくいものになっています

もしかしたら実際に酒造りに参加しないと理解することは難しいのかもしれないとさえ思えてしまう。とにかくそれぐらい複雑なのですが、原料の米が造りの工程の中でどのような名称に変わっていくかを追って全体を捉えていきましょう。

①蒸米は麹菌と混ざり合って「麹」となる。

②麹に蒸米と水と酵母を加えると「酛(酒母)」になる。

③酛にはさらに蒸米と麹と水が加えられ「醪」となります

④醪をしぼると「日本酒」になる

酛と醪のどちらのタンクでも、酵母(酵母菌)という微生物が、糖分(ブドウ糖)を食べてアルコールと炭酸ガスを出す。これが発行の原理です

酵母は糖分がなければアルコールを生みません、よって糖分の源がどこにあるかによって、醸造酒の造り方は違ってきます。

ワインは原料のブドウの中に豊富な糖分があるので複雑な工程を経なくても放っておけば勝手に発酵が進みます(単行発酵)

またビールは原料の大麦に麦芽を加えて麦芽糖に変えてから発酵に移行させるため、タンクは二つ必要になります

日本酒の場合は米のデンプンを糖に変える→「糖化」と、酵母がアルコールを生む→「発酵」が同時に、しかも一つのタンクの中で行われる。これが世界にもまれにみる日本酒ならではの製造法なのです(並行複発酵)

蔵では毎日、蒸米と米麹を加えながら仕込みを進めていく、蒸米も米も役割によって行き先が様々なので、最初のうちは見えない糸があちこちで絡み合っているような錯覚を覚えるかもしれませんが理解してくると徐々にほどけてくるので安心してください。

非常に複雑な日本酒造りですが少しづつ理解していけば大丈夫です。

杜氏の熱量を感じながら今日も一緒にへべれけに!!