こんな時代だからこそ日々店頭でお客様と向き合っている皆さんはどうやったら売り上げがアップするのだろうと悩まれているんではないでしょうか。自分も毎日あれやこれや考えながら接客に励んでいます。

売れるためには商品を然るべきところに陳列して、お客様についつい手に取ってもらえるような店内構成を作らなければいけません。簡単ではありませんが、お店によって売れるポイントを把握しながら構成すればお客様が少ない中でも売れるお店をつくる事は出来ます。

自分はセレクトショップの販売で勤続15年、不況や売れないときは1回や2回ではありませんでした。それでも予算と向き合いながら日々試行錯誤を繰り返して店内を作り、売れるように頑張ってきました。

そんな自分が店内にどのように商品を陳列していけば売れるようになるか解説いたします。

最終的にはお客様に手に取ってもらえる店内レイアウトの最適解が得られると思います。

売れるレイアウト

ECが発達した今、販売の現場は様々な悩みを抱えていると思います。

・お客様がこない

・試着してくれない、してくれてもECで購入されてしまう

・店内を回遊するだけで退店してしまう

これらの悩みは全てレイアウトを魅力的に見せることで解決できます。自分はメンズもレディースも経験してきましたが商品をどのように見せてお客様の心に響くようにするのかはめちゃくちゃ重要です。

逆を返せばここが出来ていれば売り上げは大きく落とすこともないため、売り上げが落ち始めてから猶予が出来る為手の打ちようがあります。ECサイトでは絶対にできないことの一つでもありますので小売りの現場店舗は絶対に取り組んだ方がいいことの一つです。

最終的にはトルソーのまま売れる、陳列通りに売れるという事例が多発するようになるとレイアウト戦略がお客様にしっかりはまっているという事になります。

ただし、残念ながらお客様の心はうつろいやすいものですし、トレンドを生業に商売をしているのがアパレル業界でもありますのでその時の正解はあっても、常にそれが正解とはなりません、季節ごとに打ち出す内容も違いますし、商品も違うと思います。

ですので、今回はお店のベースのレイアウト戦略の考え方、これをもとに組み立てていけば、あとは微調整で大丈夫という話です。

ゾーニング

一番最初に行う事としてこれは非常に大事です。なにが大事かというとこれが骨組みになってくるからです。量販店(ユニクロ、ZARA、GAP)のように価格戦略を推し進めてお客様に価値を感じてもらうといったブランドは別にしてゾーニングを決めておかないと売れる商品なのに売れる場所にない、または見せる商品なのに店内の一番売れる位置に配置されているなどチグハグな店内が出来上がってしまい、実績はついてこないからです。

量販店は別にして店内を見渡すと様々な什器や場所があると思います。それらをどのように使っていけば適切な商品を適切な場所に配置することが出来るか

これは自分自身もオープニングを何回か経験している中で身についたのですが、店内には確実に売れる場所と売れない場所が存在します

 

 

上の店内構成を見ていただきましょう。一般的な店内の什器配置の構成です、この店内に商品をはめ込んでいくわけですが上の図を見ながら説明していきます。

パワーゾーン

まず初めに一番売れるポジションを解説いたします。一般的にはパワーゾーンと呼ばれている場所で図の中では黄色の丸で囲んであるところです。

ちなみに赤の丸が平台で今一番旬でキャッチーなアイテムを置く場所なんですがそこと隣接して店内では一番ロングなラックになります。ここにいわゆる戦略商品、ボリューム商品といった売上を確実に計算できる、あるいは売らなければ在庫過多で利益が出なくなってしまう商品を配置していきます。

要するにこのラックがお店の売り上げを左右するわけですが、一番稼いでくれるラックでもあります。

平台

先ほど少し話題に出しましたが、赤丸で囲ってある部分です。

前の通路側から見えるのと店内で一番目立つ位置でもあります。そのためここは2番目に売上を上げてくれるところでもありますがメインディスプレイと連動した商品の打ち出しをして、お店が今どんなテーマで打ち出しているか、どんな世界観でお客様に訴求しているかというテーマ性がとても大事な場所でもあります。

最近はこの平台をなくしてトルソーを3体~5体ほど並べて世界観を訴求しているところもありますね。

メインディスプレイ

紫の丸で囲った部分です。ここはWDPウィンドウディスプレイといわれている場所でもあります。平台と連動して世界観を打ち出す場所でもありますが、より色濃くお店のテーマ性を反映するためにアイコニックな、いわゆるカタログに載せるようなコーディネートです。

提案性が高く、一般的なコーディネートというよりはファッションショーでしか見ないようなファッション性の高い雰囲気がポイントです。

サブゾーン

青色の丸で囲んである部分です。ここはパワーゾーンほど力を持ったラックではありませんが、時と場合によってはパワーラックよりも売り上げを上げてくれる場所でもあります。

見せ方や使い方がポイントになってくるのですが、見せ方については後ほど記述します。

サブゾーンは単独で成り立っていることもあり、平台で打ち出しているテーマ性やメインディスプレイ、パワーゾーンとは雰囲気を変えて打ち出すのがいいです。店内のテイストやコーディネートのテイストの幅は多いほうがいいです。お客様は一定のマインドを持った人ばかりではありません、様々なお客様が来店するはずです、その方々に懐の深いお店だと思ってもらうためにも、更には様々なお客様に「これいいかも」と思ってもらうことがレイアウトを作っていく上では大事です。

島什器

ちょっと分りづらいかもしれませんが💦💦オレンジの丸で囲んだ部分です。

ここは単一アイテム(パンツ、カットソー、ニット、シャツ)をバリエーションで見せてあげる場所です。今までの場所がコーディネートで訴求していたのとは違い、ここは単品でプレゼンテーションする場所です。お客様はここから選べば店内の隅々まで見て吟味しなくてもよく、たくさんの中から選べるという嬉しさもある為あなどれない場所ですが、アイテムの選定は重要になってくるかもしれません。

スポット

最後にスポットです。緑の丸で囲んであるところです。ここは基本的には店内のどの商品テイストにも属さないものや仕入れのインポート商品でデザインが他とは違いちょっと浮いてしまうもの、混ぜ込めないもの等をさらっとかけるのがポイントです。

もしくはちょっと先のアイテム、先物や高いものとバックとかいわゆる高級メゾンがやっているようなレイアウト方法で見せると一際高く見えたりします。ここも季節やタイミングでは色々な見せ方が出来ますが基本的なレイアウトの考え方はインポートや先物でいいと思います。

ここまでゾーニングについて色々解説してきましたが、量販店と一番違うのは商品によって陳列する場所を変えてお客様に楽しくお買い物をして頂こうとする心です。量販店は同じ商品やアイテムで区切って見やすい、分かりやすいを視点に店内が構成されていることが多いと思いますが、量販店ではないお店やセレクトショップは商品をどこにどのように置くのかを考えながら配置しています。

見せ方と陳列方法

よく見せ筋、売り筋とか言ったりしますが、販売を効率化して最大限実績を伸ばしていく上で店舗の戦略として非常に重要です。

レイアウトの話でも少し触れていますが、場所によって、もしくはラックによって見せ方が違いますのでそのあたりを解説していきたいと思います。

提案ゾーン

ここでいう提案ゾーンというのは商品が提案性が強いというわけではなくラックの見せ方が提案性が強いという事になります。

この種類に入ってくるのが平台、メインディスプレイ、スポットです。

平台に関しては少し触れていましたが今が旬なアイテム、流行性の強いアイテムや色などでお客様を店内に呼び込む役割を果たしています。「なんか面白そうなお店だな」、「なにかありそう」、「わくわくする」といった感情を呼び起こすような楽しい、ついつい触ってみたくなるような見せ方を目指しましょう。

なので中心になる商品はあるべきですが基本的にはトータルコーディネートでカバン、靴、までしっかり提案すること。更にはスカーフやハットなど小物まで使って演出してあげるとお客様はイメージが沸きます。

ECが発達した今イメージを持たないお客様も昔に比べると少なくなりましたが、それでもまだまだいっぱいいらっしゃいます、お客様は基本的にはイメージを持ち合わせてない場合が多いのでイメージをつけてあげると試着に繋がりやすいです。色々な什器と商品の特性を把握しながら遊び感覚で置き方を工夫したり、並べ方を工夫してみる。その人の個性が出る場所でもあります。

メインディスプレイは完全コーディネートなので説明した通りですが、その後ろにあるラックにはメインDPで使用している商品を配置するのが通例です。

スポットは意外と時と場合によっては威力を発揮する場所なので手を抜いてはいけません、というのも一発逆転が起こりやすいのがこのラックです、独立しているショートラックはなぜか独特の雰囲気があって店内の奥にある商品でもめちゃくちゃ輝かせてくれます。通常店内はエントランスの方から綺麗に作りこんでいくのがセオリーですが、店内奥にあるこのラックだけは外から見ても目立つ場合があります。恐らく商品の力とラックの力が相乗効果を生んでいると思うのですが異質な空間を作り上げて視認性を上げられる場所です。

それゆえに店で一番高いコートとか、一番高いバックとか、オリジナルで一番高いジャケットとかデザイン性の高いアイテムを単独で見せるのに適していて、今日はこのままいくと結構売上マイナスしちゃうな、なんて時に閉店間際で売れて、予算達成なんて場所でもあります。

回転ラック

見せるゾーンを色々と説明してきましたが次は回転ラックです。種類としては、パワーゾーン、サブゾーン、島什器なんかが当てはまります。その名の通り商品を回転させるラックで回転しないとお店の売り上げは上がっていきません。

ここの見せ方としては、パワーゾーンは商品を整然と規則正しく並べるという事です、色も重要で出来れば2枚ずつ出す、色の並びは色環図を参考に順番に並べるといいです。売りたいトップスを2枚出したらその間にコーディネートでボトムスを2枚出すといった感じで陳列します。

サブゾーンに関しても同様ですが、ここはラックが短いこともあるとは思いますので一枚づつ陳列してもいいと思います。ここで注意したいのがパワーゾーンとのバランスです、同じ色味になっていないか、ラックの先頭に来ているアイテムがパワーゾーンと被っていないか、テイストは似寄りになっていないかなどです。

もし似寄りになってしまっているとすると同じような商品しかないお店だ、自分の探しているものは無さそうだと途中で退店してしまうかもしれません、それを防ぐ意味もあり幅の広い見せ方が重要になってきます。

島什器に関しては明るい色から暗い色になるように注意しながら並べるといいです。島什器はお客様の足止めにもなりやすいです。バリエーションがいっぱいあることによって「ちょっと自分好みの商品ないかな」と軽く見てくれる場所でもありますので暗い色ではなく明るい色を前面に出すようにしましょう。

島什器も使い方は色々で自分がメンズで店長をやっていた時にはフィッティングルームに近いこともあってパンツの集積として使っていることが多かったです。

その他昔はカットソーや、シャツなんかも島什器で展開したりしていました。

まとめ

このように色々と書いてきましたが、このようにやる必要はありません、あくまでも参考に、基本は抑えつつ自分自身の思うようにやるのが一番いいと思います。

ただ、レイアウトは「見せて、売る」これは覚えておいていただきたいなと思います。提案した隣に整然と陳列された似たテイストの商品があったりすることによってお客様は心を揺さぶられるのです。

陳列が終わったら必ず店外に出てバランスや色の並びを確認しましょう、同じようなテイストばかりになっていないか、ラック内のコーディネートに関してもしっかり見てあげましょう。

楽しんでレイアウトするのが一番楽しいです。売れたらもっと楽しいです。基本のレイアウトはこのように作っていきましょう。ご参考になればうれしいです。