ヨーロッパのワインの話

スペインのワイン

POINT,1:スペインの代表品種は香り高く繊細なテンプラニーリョ

POINT,1:産地の格付けとは別に、熟成期間のグレードがある

POINT,3:シェリーとカヴァが有名

「テンプラニーリョ」のリーズナブルなワイン

スペインを代表するブドウの品種といえば「テンプラニーリョ」。スペイン全土で栽培されており、「センシベル」や「ティント・デル・バイス」、「ウル・デ・リェブレ」など土地によって呼び方がコロコロ変わるのも特徴。

適度な酸味と濃厚な果実味を持つテンプラニーリョは、重すぎず、軽すぎずバランスの良い味わいで、熟成するとピノ・ノワールにも似たエレガントな味わいに変化することも。

またテンプラニーリョを主体にカベルネ・ソービニョンをブレンドした、パワフルな味わいの「スーパースパニッシュ」と呼ばれるワインも人気が高い。

スペインワインはフランスやイタリアなどヨーロッパの他の産地に比べてリーズナブルな価格帯のワインが多いので、カジュアルにヨーロッパワインを楽しみたいときにおすすめです。

熟成期間が長いほど上級ワイン

スペインには産地による格付けに加えて、熟成による品質のグレードも決まっている。熟成期間が長いほど質が高く、もっとも上級の「グラン・レゼルバ」に至っては5年以上の熟成を要する。

グラン・レゼルバ

赤ワインの場合は最低60ヶ月以上(うち樽で18か月)熟成させたもの。白、ロゼの場合は最低48ヶ月(うち樽でも6ヶ月)

レゼルバ

赤ワインは最低36ヶ月以上(うち樽で2ヶ月)熟成させたもの。白、ロゼの場合は最低24ヶ月(うち樽で6ヶ月)

クリアンサ

赤ワインは最低24ヶ月以上(うち樽で6ヶ月)熟成させたもの。白、ロゼの場合は最低18ヶ月(うち樽で6ヶ月)

スペインの伝統的なワイン産地リオハはフランスの技術を採用

リオハは、エブロ川流域の盆地に広がるスペインで最も有名な産地。

粘土質や石灰質など様々な土壌を持ち、それがリオハのワインに複雑実を与えている。また、19世紀後半、フランス国内に広がったフィロキセラから逃れたボルドーの醸造家たちがリオハに移ったことで、フレンチオーク樽を使った樽熟成の技術が伝わった。

その為、リオハのワインは他の地域に比べて熟成期間が長め。特に熟成を重ねた「グラン・レゼルバ」や「レゼルバ」のコクのあるワインはワイン愛好家から高い評価を得ている。

革命児「4人組」

スペインを代表する銘醸地リオハに並ぶ、高級赤ワインの生産地がブリオラートです。この地はかつて、ブドウ樹の害虫フィロキセラに襲われ、ブドウ畑が全滅、衰退の一途をたどっていた。

その窮地を救ったのが1980年代半ばに「昔ながらの上質なワインを造ろう」と立ち上がった熱意ある4人の生産者です。

モダンブリオラートの父と呼ばれるルネ・バルビエ氏をはじめとする生産者たちは、世界的なトレンドに合わせて、土着のブドウ品種のほかにフランスのブドウ品種の栽培にも挑戦。重厚でアルコール度数の高い、しっかりした味わいの赤ワインを生むことに成功した。

現在では、多くの生産者がブリオラートへ詰めかけ、質の高いワインを次々と生んで支持を集めている。

「シェリー」の中心的産地

大西洋に面したへレスは、世界的に有名な酒精強化ワインの一つ、シェリーの主要産地として知られる。

この地域は南国のような暑い気候が特徴。またポニエンテという大西洋から吹く風がブドウ樹に海の湿気をもたらし、夏には乾燥を和らげて木の葉などが熱くなりすぎるのを防いでくれるので、ブドウの栽培にも適している。

シェリーに使われるブドウは、9割以上がバロミノというアンダルシア原産の白ブドウ。糖分と酸味が少ない為通常のワインには向かないが、シェリーの原料となると辛口の上質な味わいとなる。

スパークリングワイン「カヴァ」はペネデスが中心

スペインのスパークリングワインとして有名なカヴァ。スペイン語で「洞窟」を意味し、フランスのシャンパーニュと同じく瓶内2次発酵で造られるのが特徴です。カタルーニャ州にあるペネデスが主な産地で、スペイン全体のカヴァ生産の約9割を占めている。

ブドウは酸味のバランスがいいマカベオ、糖度のあるチャレッロ、フレッシュなパレリャーダの主に3種類から造られ、手ごろな価格ながらおいしく、品質も優れています。パエリアとの相性も抜群。

カヴァに使われる主なブドウ品種

マカベオ

酸味のバランスに優れ、爽やかでフルーティな味わいが特徴。

チャレッロ

ワインにコクを与え、骨格のしっかりした味わいにしてくれる。

パレリャーダ

ペネデスの高地で栽培される品種。フローラルな香りで、上品な飲み口になる。

 

ドイツのワイン

POINT,1:甘口タイプの白ワインが豊富

POINT,2:赤ワインのクオリティーが上がっている

POINT,3:甘口と辛口でそれぞれ厳しい格付けがある

ドイツは甘口白ワイン

北緯50度前後の範囲に広がるドイツは、世界のブドウ栽培地の中でも北限に位置している。

ブドウはリースリングやゲヴゥルツトラミネールを始めシルヴァネール、ミュラー・トゥルガウといった白ブドウで造られることがほとんど。フランスのアルザスと隣接していることもあって、品種やボトルのスタイルなどアルザスワインの特徴とそっくりですがドイツでは甘口ワインの方が主体です。

また、ドイツワインの格付けでは、より熟した糖度の高いブドウから造られた甘口ワインほど上級とされている。しかし近年では世界的なトレンドをとらえた辛口タイプも増え、バラエティーに富んださまざまな味わいの白ワインを楽しめるようになった。

甘口ならラインガウやモーゼル、辛口であればフランケンの白ワインがおすすめです。

世界3大貴腐ワインの一角「トロッケンレーベンアウスレーゼ」

貴腐ワインとは、果皮の薄い白ブドウの表面に貴腐菌(ポトリティス・シネレア)が付着してできる貴腐ブドウが造られます。

通常未熟なブドウに貴腐菌が付くと腐敗するだけだが、貴腐菌が上手に繁殖すると、驚くほど糖度が凝縮された甘露のような極甘口ワインになる。特にドイツワインの糖度の格付けで最高位の「トロッケンベーレンアウスレーゼ」はフランスのソーテルヌ、ハンガリーのトカイと並び、世界3大貴腐ワインと呼ばれている。

赤ワインのクオリティーが年々アップしている

ドイツといえば白ワインの印象が強いが、実はドイツ最南端のバーデンやヴュルテムベルク、アールのような古くから赤ワインを重点的に生産している歴史的な産地も多く存在します。

特にドルンフェルダーというブドウ品種を使った辛口赤ワインが人気で、庶民的なお手頃価格で手に入るのが魅力です。

また近年は、地球温暖化の影響からか、シュペードブルグンダー(ピノ・ノワール)を使った、果実味豊かで力強い味わいの赤ワインが多く生まれている。

中にはブルゴーニュの赤ワインに匹敵するような高い評価を受けるものもあります。

辛口のグレード

ブドウの糖度が高い甘口ワインになるほど、より上級と認められてきたドイツワインですが、近年、辛口ワインの生産が徐々に伸びてきています。それに伴い、辛口の上級ワインに関してワイン法が見直され始め2000年には「クラシック」「セレクション」という辛口ワインの新たなグレードが誕生

甘口にとどまらず、今後は幅広い味わいのドイツワインが楽しめるようになりそうです。

辛口の格付け

クラシック

ワイン法によって定められた「Q.b.A(生産地域限定ワイン)」を生産する13の地域で造られた上級の辛口ワインのこと。ドイツの伝統的なブドウ品種を用いた上で、国内で定められた品質基準をクリアしなければならない。

ラベルに表示があればいずれも高品質の辛口ワインを示すことになっている。

セレクション

「クラシック」よりグレードが高い、ドイツにおける最上級の辛口ワイン。

「Q,b,A」で指定された13の地域のうち、単一の畑のブドウから造られることが条件で、手摘みで収穫することや熟成期間、ブドウの糖度などが「クラシック」よりもさらに細かく決められている。

また、産地ごとの伝統的な品種を使う事も義務付けられている。

辛口リースリングは和食と好相性

日本でもドイツの辛口ワインを扱うお店が増えている。

特にリースリングの辛口は淡麗で、天ぷらや野菜のお浸しなど和食と相性がいいのでおすすめです。

ドイツのブドウ畑はほとんど川沿い

ドイツのブドウ畑はそのほとんどが川沿いの斜面にある。

傾斜によって日光がブドウに効率よくあたるだけでなく、水面の照り返しで日照量を増やすことが出来るのが特徴。

さらに、川に面していることで気温変化がゆるやかになり、急激な冷え込みでブドウ樹が枯れてしまうのを防げるほか収穫時期が近づく秋から冬のシーズンにかけてのシーズンは、川から発生する霧が畑を厳しい寒さから守ってくれる。

こうして寒さの中でじっくりと熟したブドウは極上の甘みと酸味を備えたワインに仕上がります。

北限の厳しい気候条件だからこそ、立地をうまく利用して考えられた生産者の知恵と伝統が感じられます。

フランケン地方の伝統的なワインボトル「ボックスボイテル」

ボックスボイテルとは、ドイツのフランケン地方特有のボトルのタイプでずんぐりと丸みを帯びた扁平な形をしている。

ボックスボイテルという名前の由来は「ヤギの陰のうに形が似ている」「ベネディクト派の修道僧が祈祷書を入れるために服につけていた袋」など諸説あります。

もとは18世紀に横行した悪徳ワイン業者の偽ワインと区別するため、ボックスボイテル型の容器にワインを入れたことが始まりだとか。

いまでもフランケン地方の多くの醸造所は、高品質の証にボックスボイテルのボトルを使用している。

ポルトガルのワイン

POINT,1:マデイラワインの銘醸地

POINT,2:土着のブドウ品種が多い

POINT,3:世界最大のコルク産地

「ポートワイン」&「マデイラワイン」

ポルトガルワインといえば酒精強化ワインのポートワイン(ヴィーニョ・ド・ポルト)ワインの発酵途中にアルコール度数77度のブランデーを加えて発酵を止める製法で、独特の甘みと深いコクが生まれる。

一般的なワインのアルコール度数が10~15度なのに対し、ポートワインは20度前後と高いのも特徴。

ポートワインは主に黒ぶどうを使って3年以上熟成させた「トゥニー・ポート」、白ブドウを原料に3~5年熟成させた「ホワイト・ポート」の3種類がある。

またブドウを原料としたスピリッツを添加して造られる、酒精強化ワインのマデイラワインも有名。

甘口から辛口まで味わいの幅が広く、スモーキーな香りを持つ、マデイラ島で造られたのが由来ともいわれる。

土着のブドウ品種が多く、個性的

ポルトガルは歴史が古く、伝統的な栽培法や醸造方が受け継がれているだけでなく、固有のブドウ品種も多い。世界の銘醸ワインに引けを取らない個性的なワインも多数輩出されている。

ポルトガルの主要品種

トウリガナショナル(赤)

ポルトガルを代表する黒ぶどう品種。ポートワインに使われることが多い

アラゴネス(赤)

果実味が強く、濃厚な味わいが特徴。乾燥した地域で栽培されることが多い。

フェルナンピレス(白)

ポルトガルで最も多く栽培される白ブドウでパイラーダではマリアゴメスと呼ばれる。

シリア(白)

早飲みワインに適した白ブドウ品種。フルーティでフレッシュな味わいを生む。

世界最大のコルク産地

コルク樫は世界の中でも、スペインやフランス、イタリアなど地中海沿岸の限られた地域にしか群生しておらず、ポルトガルはその中でも最も大きい面積を有している。

ポルトガルのコルクの生産シェアは世界の約50%に上り、コルク製品に至ってはおよそ75%と世界でもトップクラスのシェアを誇ります。

 

スイスのワイン話

POINT,1:国内消費が多すぎて輸出量が少ないワイン大国

POINT,2:白ブドウ品種のシャスラが主要品種

POINT,3:赤ワインはピノ・ノワールがほとんど

実はワイン大国

スイスワインといわれてもいまいちピンとこない人が多いと思いますが、実はスイスはヨーロッパ屈指のワイン大国。

日本ではあまりメジャーな存在ではないのには二つの理由がある。1つは、山岳地帯が多い為ブドウ栽培に適した場所が少なく、販売価格が他国に比べて高くなってしまう事、2つ目は、生産されたスイスワインのほとんどが国内で消費されるため輸出される量が非常に少なくなってしまう事に挙げられる。

さらに、2012年には世界で最も影響力のあるワイン評論家のロバート・パーカー氏が雑誌「ワイン・アドヴォケイト」において4つのスイスワインを2012年ベストコレクションに選定したため人気が急上昇

スイスワインはますます手に入りにくい存在となっています。

8割のシャスラがスイスで栽培されている。

スイスを代表する白ブドウの品種といえば、シャスラです。

世界のシャスラの約8割がスイスで生産されており、主にヴォーで栽培されている。

レマン湖北側の沿岸部に面し、氷河、河川、山など独特の地形によって生まれた多種多様な土壌から、複雑な香りと繊細なニュアンスを併せ持つ個性的な辛口ワインが生まれる。

また、スイスで最もワインの生産量が多いヴァレー州でもシャスラが栽培されているが、ここではファンダンと呼び名が異なり、ヴォーよりも生き生きとした酸味を感じられるワインになる。

白ワインを使ったスイス名物のチーズフォンデュと合わせれば絶品です。

ピノ・ノワールがほとんど

スイスで造られる赤ワインの多くはピノ・ノワールを使用している。透明感のある鮮やかな赤い色味が特徴で、渋みや苦みがなくすっきりと飲みやすい味わいに仕上がる。

ピノ・ノワール以外では、ガメイやメルロ、スイス独自の交配品種ガマレなどが使われることもあり、全体的にチェリーのような甘い香りとライトな口当たり。

不思議ではありますが、エスニック料理や中華料理と合います

 

以上4つの国のワインを解説いたしました。どの国も個性があっておいしそうなワインを製造していますよね。ワインは本当に産地によって味が全然変わるので奥が深いです。

みなさんも機会があればそれぞれの国のワインを味わってみてはいかがでしょうか。

それでは今日も楽しくへべれけに!!