現役セレクトショップ店長が語る「売れる販売員の法則」

このご時世題名のようなことは色々な所で話題に挙がっていると思います。そして、アパレルの小売り現場の永遠の課題でもあり、宿命でもあります。賛否両論あると思いますが自分自身の考えをまとめましたので皆様の参考になればと思います。

商品を売る本質

とはいえ、自分の素性を明かさないのも説得力もないと思いますのでまずは自分の経歴からご紹介したいと思います。

18歳で上京、2年間某ファッション専門学校のファッションビジネス課を卒業

その後下北沢でUSEDとインポートミックスの個人経営の店でアルバイトとして働きながら昼はレストラン、夜は居酒屋でアルバイトして稼いだお金のほとんどを洋服に費やす。

その後憧れでもあった海外生活を実現するため実家に戻り2年間貯蓄に励む。甲斐あって24歳で単身渡英、現地の語学学校に通いながらファッションのルーツとなった国の文化に触れ刺激を受ける。

1年間の留学を終え帰国後まだ発展途上にあった某セレクトショップへ販売員としてアルバイト入社。朝から晩まで仕事に励む。社員への昇格、副店長への昇進など学びながら経験を積んでいく、現在店長として現場を指揮して5年目。

と、いった感じで十代の頃からこの業界に身を置きながら色々な失敗、成功を見てきた自分が今回は「売れる販売員の定義」について皆様の助力と今後の可能性について書いていければと思います。

 

長ったらしく自己紹介してしまいましたが、サブタイトルの「商品を売る本質」

こちらについては自分があれやこれやというほど高額品を販売してきたわけではありませんが、ずっと小売りをやってきた中で、不況や最近ではコロナ禍のなかでお客様の心をいかに感動させられるかという事が一番大きいと思います。

自分はアパレル業界しか知りませんがこれは他のどの業界でも、ひいては人が利害を共有しながら生活していく中ではこれが全てだと思っています。後ほど細かく解説させていただきますが、車だろうが、宝石だろうが、高級バッグだろうが、はたまた、野菜だろうがどれにも当てはまる物を売るときの原理原則だと感じています。

要するに、この物が売れない時代の中、ECで十分満足できる中、目の前のお客様に必要性を説くのではなく、いかにこれを所有したら楽しい未来が待っているかを説かなければいけません。そのためには販売する側も幸せな人生を歩んでいなければなりません。

大げさな言い方をすればお客様を感動させなければなりません、売り場に立つ販売員は舞台に立つ役者さんと一緒です、お客様の心はどんな行動によって感動するのかを日々考えながら業務にあたることが一番の近道です。

販売方法

ちなみに、先に断っておきますが自分は決して実績の多い販売員ではありませんでした。いつも予算に必死に食らいついてなんとか体裁を保っていたという感じです。
ただし、つぶさに売れている人の行動、買うお客様の反応、買わないお客様のしぐさ。何年も見ながら販売の一線で働いている人とたくさんコミュニケーションをとってきたからこそお伝えできる内容だと思っておりますので決して立派な販売員ではありませんでした・・・
ただ、責任者となると毎日毎日、来る日も来る日も実績の事ばかりです。それ以外の事も考えてなくはないですが、ほぼそれです(笑)
だからこそ憑依してる間隔で販売員と共にお客様に接しているつもりではありましたので、それこそ接客の経験値はバーチャルな世界で積み重ねてきたとでもいうべきかもしれません(笑)

それでは売れる人の行動を詳しく解説していければと思います。
まず大まかに行動パターンを分析するとこういった感じです。(あくまでパターンですのでこれに当てはまらない場合ももちろんあります)

アプローチ

雑談

盛り上げ

雑談

決定

これが一連の流れだと思っています。こうみると、商品を販売しているよりコミュニケーションを駆使してお客様に楽しんでもらおうとしているのがよくわかると思います。
要するに販売の真髄は会話をリードすることに尽きると思います。お客様から会話を引き出し、引き出した情報をもとに盛り上げる、またお客様から会話を引き出し、盛り上げる、これの繰り返しです。

でわどこで商売をするかというと、最後の10分です(極端にいいましたが最後の10分のために話を誘導していくというイメージです)

なので、最初のアプローチの段階からゴールをイメージして会話を進めていかなければいけないという会話のボキャブラリーと臨機応変な変化が求められます。

こう書くとすごい難しそうに見えますが、ある程度接客の場数を踏んでいけば、ボキャブラリーは自ずと増えていきますし、「これを見せてこれを売ろう」みたいな販売スキルも絶対に身についてくると思います。

声掛けのタイミングと声の大きさ

実は売れる販売員というのはここをすごい重要視していると思います。長年の経験からしみついている人もいると思いますが(ちなみにアパレルではナチュラルで勉強せずとも売れる人としっかり知識と経験を武器に計算しながら接客している人と二通りいると僕は思ってます)自分の間合いというのは何年かやっている人は全員持っていると思いますが、声のトーンやお客様に心地よく聞こえる声掛けはかなり努力した人か天然で持っている人かじゃないとなかなかできません。

詳しく解説しますと

声掛けに関してはとにかく早いです!

ただ早いだけではなく、しっかり商品の特徴を端的に伝えています。お客様が手に取って目に見える情報以外の話をして興味を持ってもらうのがうまいです。

お客さまが「へ~、そうなんだー!!」っていう商品のいいところを見つけてお客様の興味が引けそうな文章を自分の頭の中のストックから瞬時に出してお客様に伝えているという感じです。

 

あと、重要なのは声ですね、僕は結構苦手なんですが(笑)

声が大きいです!お客様はやっぱり明るい人の方がいいんですよね基本的には、テンション高くこの人楽しそう、話聞いてみようかなっていう人がお客様とコミュニケーションをとれている気がします。

状況もあるとは思いますが、コロナ、ECよりも圧倒的に優位性があるのってそこだと思います。ヒューマンパワーってのは機械には出せません、人は人との会話なしでは人生つまらないものだと僕は思います。

対面で販売するという事は競合店だけでなく、今後は世の中に広がるEC店舗とも切磋琢磨していかなければいけないのです。最終的には友達ではありませんが友達ぐらいの信用度を得て帰ってもらうのが最高の見送り方だと思ってます。

盛り上げ方

ここは正直その人の人となりが出る部分だと思ってます。

それだけに様々だと思ってます、正解はなく、お客様が楽しんでもらえるだろうという事を一生懸命やればいいのではないでしょうか、良いも悪いもありません

ノリで盛り上げる人もいれば、商品のコーディネートをいっぱい見せて盛り上がる人もいれば、お客様が持ってる持ち物をみて盛り上がる人もいれば。千差万別です

ただし、共通して言えるのはお客様の背景、ライフスタイルをよく知ったうえで話を盛り上げようという意識です。ここはめちゃくちゃ重要だと思います。なぜならこの後に続く決定のためにお客様の生活様式を知っておくことが一番重要だからです。

今更、ノリだけで購入を決定してくれるお客様はそうそういません、いかにこの商品を買ったら自分が得した気分になれるのか、それがないとお客様は「ちょっとかんがえます」という怖い宣告をされる羽目になるのです。

自分も最初はここが一番苦手だったんですが、自分らしくお客様に楽しんでもらえればいいのかと思った瞬間から肩の力がぬけて自然体でおもてなしできた気がします。

じゃあこれとこれと、これも買おうかな

これが、実際僕らのコメントとして一番テンション上がる言葉だと思います。

ここまで来るための今までの布石です。ここに来る頃にはお客様はテンションが結構上がっていて、販売員とお客様の心の距離感も相当縮まっているはずです。

そうなると、今までお客様に話していただいた背景をもとに、こんなコーディネート良さそうですよねっていうのを3パターン用意することです。

なぜ3パターンかというと、ここは実践と経験と高評価販売員とのコミュニケーションとのなかから培ったのですが、仕事用パターン、休み用パターン、まではお客様も考えているので、お客様のイメージを超える3パターン目(アイテムは同じでもいいです、でも、着こなし方、色の組み合わせが新鮮!ってのが大事です)がお客様の感情を揺さぶって購買心理が働いてくるという仕組みです。

まとめると

声を大きくアプローチ→質問多めでちょっとだけ自分の話をしながらお客様の気分を盛り上げる(場合によってはこれを何回か繰り返す)→お客様のライフスタイルに合わせて3パターンコーデを組む

この3ステップで購買率と客単価が確実に上がります。

是非アパレルだけでなく他の業種でも応用できると思いますので参考にして頂ければと思います。