サントリー白州蒸留所探訪

水と森と時間が育む嗜好の芸術品

世界でも類を見ないという標高700メートルに位置する白州蒸留所。数十万樽ものウィスキーが眠るこの地でウィスキーの魅力と楽しみ方を考えてみた。

豊かな自然が育むウィスキーの聖地

南アルプスの雄峰・甲斐駒ヶ岳の麓、名水百選にも選ばれる尾白川が近くを流れる広大な自然に囲まれたこの地にサントリー白州蒸留所はある。山崎蒸留所に次ぐサントリー第二の蒸留所として1973年に誕生した白州蒸留所は、森林という世界でも珍しい立ち位置から「森の蒸留所」と呼ばれている。
ウィスキーは「仕込み」「発酵」「蒸留」に加えて「貯蔵(熟成)」という工程を経て完成するのだが、熟成する間に樽の中のウィスキーは年間2%~3%ほど蒸発していく。その際アルコールばかりが蒸発すると度数が低くなり、水ばかりが蒸発すると度数が高くなる。アルコールと水の蒸発スピードをほぼ同じにし、度数の変化を少なくするにはある程度高い湿度が必要なのだという。森林は湿度の低い時には木から水を蒸散し、湿度が高い時には木が水を吸収してくれる。まさにウィスキーづくりに適した環境なのだ。もちろん名水百選にも選ばれた南アルプスの山々が育んだおいしい水と豊富な水量も重要なファクター。「ウィスキーづくりに大切なのは熟成環境なんです」とは某酒類会社のスピリッツ事業部課長談。

熟成こそがウィスキーの価値

何年にもわたる熟成期間の中で樽からの影響を受けて変化するのが他のお酒にはないウィスキーの特徴。樽熟成はウィスキーの香味形成に大きな影響を与える。「仕込みに1日、発酵に3日、蒸留に1日。ベースとなるニューポットは数日で作ることが出来ます。でも結果は10年、20年後ならないとわからない。引退してからじゃないと答えが分からないこともあります。いま私たちが飲んでいるウィスキーは何年も前の先輩たちの努力の結晶なんです。先輩から後輩へバトンタッチ、バトンタッチでつないでいくのがウィスキーづくりなんですね。」とのこと
ウィスキーは完成までに長い期間を要するため少しづつ色んな成分を持つようになる。例えば、麦芽由来の穀物系の味わい、ピート(泥炭)を焚くことで付くスモーキーなフレーバー、発酵で生まれるクリーミーさ、蒸留によるホクホク感、樽熟成での苦みや甘み具合だ。
色んな成分を持っているということはいろいろな料理と合いやすいという事、
食中酒というよりバーなどでゆっくりと時間を過ごすとお酒といったイメージが強いウィスキーが、実は食事に合うとはとても興味深い。

ウィスキーと料理のマリアージュとは

あくまで個人的な意見の一つとしてお聞きいただきたいのですが、淡白な白身の刺身を合わせるなら薄めの水割りがおススメ、味が濃い目の中華なら、ウィスキーもちょっと濃い目で。デザートやチョコなど濃縮した味わいならロックかストレートという風に度数で調整できるのがウィスキーだと思います。
つまりウィスキーを料理の味に寄せていくのが美味しく飲めるコツ
具体的な料理を挙げるとすれば、白州はスモーキーフレーバーが特徴的なのでシソを使ったものやスパイシーなもの、ハーブを使った料理などが合います、あとはウィスキー産地の地のもの白州でとれる岩魚の燻製もおすすめです。
山崎は西京焼きなど味噌を焦がしたような料理に合います。山崎蒸留所であれば周りが竹林なので筍料理なんて最高かもしれません。
角瓶、トリスはやはりハイボール。揚げ物など油を使った料理との相性は抜群。
今やビールに次ぐ食中酒として確固たる地位を築いたハイボール。ハイボールをきっかけにウィスキーに興味を持った方も多いのではないでしょうか。そこでハイボール以外でおススメの飲み方についても少し触れておきたいと思います。寒い時期の飲み方として是非ともホットウィスキーを試してもらいたい。ベースはオールドのような柔らかでまろやかなタイプが尚良し、オールド1にお湯を3.レモンとか柑橘類をトッピングするのもおススメです。